【Vol.06】 ロザイ工業株式会社 様 | 生産性向上を図るための具体的な事例とともに、PATLITEの簡易IoTソリューション、ワイヤレスデータ収集システム、AirGRID®の利便性と効果を実感してください。
ロザイ工業株式会社は、「熱と環境」をテーマに未来を創造する技術で世界に羽ばたく会社です。特徴として、工業炉、燃焼機器、耐火物の熱設備の3大要素を全て製造する国内唯一のメーカーであること、設計から製作、施工、メンテナンス、研究開発までトータルに展開し、グループ全体で8つの拠点を持ち、それぞれの事業ユニットをグローバルに展開しています。製造した製品は、電気、自動車、新幹線、携帯電話、パソコン、どれをとっても暮らしに欠かせないものとなります。各産業界の第一線でバラエティーに富む温度域の熱エネルギーをデザインし、総合技術によって自然環境との調和を目指しています。
兵庫県赤穂市に位置するセラミックス工場は、充実した製造設備を誇る最先端工場です。近年は高温耐火物焼成炉のエネルギーの見える化やモバイル端末の導入によるペーパレス化など、省エネや生産効率の向上のためIoT化を進ています。また、ISO9001取得企業として、お客様のご要望にお応えできるよう、適切な原料選択、厳格な工程管理、徹底した品質管理を行い、各種高級耐火物、新素材ニューセラミックスなど、多彩なセラミックス製品を製造しています。人の経験と最新鋭の技術により信頼性の高い高品質な製品を開発・製造しています。
弊社では、7S活動に力を入れており、年に一度、7S推進活動発表会を開催しています。今年で6年目となるこの7S推進活動は整理整頓に留まらず、統計的手法を用い、使用頻度によって保管場所を変えるなどのレベルにまで達し、日々レベルUPしています。7S活動の推進により工場がきれいになり、御来社のお客様に喜んでいただけるだけでなく、従業員の自信と誇りに繋がっています。
また、弊社も人手不足に対応すべく、生産性の向上は緊急課題でしたが、現状は設備の稼働率や、異常停止の発生状況などの管理も十分にできていませんでした。そこで、生産現場にカメラの設置を検討したところ、現場からは監視されるのではという不安の声もあがり、現状把握の仕組みをどうすればいいか悩んでいました。
そのような現状をパトライトの営業に相談すると、工場見学に来て頂ければ解決のヒントが見つかりますと提案を受け、即伺いました。
工場見学では活動開始時の失敗ばなし、どう発想を転換し仕組みを検討したのか、現場にどのように説明して見える化を推進したのかなど参考になりました。
工場見学は異例ですが、工場長から現場作業員まで2回に分け伺わせて頂き、IoTシステムの活用イメージが明確になり、全員が前向きに活動スタートできたことが非常に良かったと思います。
赤穂工場で生産しているセラミックス製品は全て受注生産で3万品目にのぼります。今回対象となる自動プレス機は全23台あるプレス機の内の6台で、成形品はロボットで自動取り出しされ、両方の設備稼働データをWDで収集しています。
小集団活動で取得情報について打合せを繰り返し、今後必要になりそうな情報も信号灯と外部スイッチや設備制御盤の接点信号などを組み合わせ自動取得する仕組みを検討しました。 さらに、現場のシグナル・タワーは作業員が直観的に判断できるよう点灯パターン組み合わせも注意をはらいました。この内容はWDパートナーソフトで簡単に定義できました。
プレス機の停止は計画停止、型変え、型替中、配合まちと細分化し、運転中も、配合切れ、寸法エラー、サイクルタイムオーバーと停止要因を自動収集できます。
プレス機では成型品の寸法は自動計測され、寸法異常が発生すると、スマートウォッチに通報が入ります。稼動分析でこの寸法エラーが1日100回以上発生していることが判明し最初の改善テーマに決定しました。また、ロボットからはパレット積みが残り5個になった時点で完了予告がスマートウォッチに通知され人待ちロスが削減できるようになりました。
また、ロボットが異常停止した場合、停止した前後60秒が自動録画され、後で動画を見ながら正確な停止要因分析が可能になりました。
今回導入した自動プレス機稼働監視システムにより、今まで勘や経験で行ってきたことがデータとしてリアルタイムに集計・表示され、情報として整理されるため、改善の糸口が沢山あることがわかった。特に小集団活動を若手社員中心で行う上で非常に便利なツールであると言えます。
現在、検出した情報をもとに寸法エラーの原因を突き止め設備の改良を行っているところです。改善後の稼働率は 10%程度上昇する見込みです。
プレス機の音、臭いで機械の調子を作業員は判断していたのですが、このような技能伝承は非常に難しくなってきています。しかし、チョコ停の発生頻度など傾向分析でベテラン作業員にかわる仕組みにできるのではと考えています。シンプルな見える化で現場力はさらに向上しており、これからの小集団活動が楽しみです。