【Vol.03】株式会社大智鍛造所 様、株式会社大谷機械製作所 様、株式会社SHF 様 | 生産性向上を図るための具体的な事例とともに、AirGRID®の利便性と効果を実感してください。
【Vol.03】株式会社大智鍛造所 様、株式会社大谷機械製作所 様、株式会社SHF 様 | 生産性向上を図るための具体的な事例とともに、AirGRID®の利便性と効果を実感してください。
創業70余年のハンマー鍛造機で国内シェア9割のパイオニア企業です。鍛造機の製造メーカーとして、設計から加工・組立、品質検査まで、自社一貫体制で手がけることで、マシントラブルがほとんど発生しない「壊れない鍛造機械」として高く評価されています。
エアスタンプハンマーによる熱間型打鍛造を得意とし、主に自動車部品を生産しています。熟練工の技、すなわち「技能」を伝承し、より高い品質で生産性を高めるための金型設計や機械の保全などの「技術」の向上と融合を図ることが、意味のある発展だと考えており、創業75年を迎えました。
創業以来、住宅・建築業界と葬祭業界に特化したアプリ開発と、⽣産/設計⽀援CADソフト製品を中⼼に企業向けソフトウェアの開発・提供をおこなっており、最近では、IoT・⼈⼯知能(AI)関連のソリューションの開発に注⼒しています。お客様と共に学び、各業界のノウハウを活かした「誰でも簡単に使える」ソフトウェアを⽬指して、商品開発とサービスの提供に取り組んでいます。
自動車業界などの好調を背景に鍛造品の需要は順調に推移していますが、慢性的な若手の人材不足とあいまって、技術継承が進んでいないことが課題となっています。特に鍛造の場合は、高温に熱した金属を叩いて力を加えるため、同じ製品を成形する場合でも叩くタイミングや回数、強度などを微妙にコントロールしなければなりません。そのため、製品を叩けるようになるまでに最低でも3年はかかり、熟練工の技術や技能を継承していくのは容易なことではありません。
また、納期の短縮化や労働時間の適正化などを推し進めるため、これまで以上に生産性向上を実現しなければならないという課題にも直面しています。しかし、これまでは鍛造機械の正確な稼働状況ですら把握できていないのが現状でした。 従来の取り組みの延長ではこれらの課題を解決するのは難しく、時代に合わせた新しい方法で問題解決を試みようと考え、大谷機械製作所に依頼をして遠隔監視システムを開発してもらうことになりました。
大谷機械製作所はアフターサービス体制も充実を図っており、何かあればお客様の現場にすぐに駆けつけ、対応できるチームづくりに取り組んでいます。しかし、トラブルが発生する背景にはさまざまな要因が複雑に絡み合っており、本質的な問題点を特定するのは容易なことではありません。そのため、トラブルの発生後にはお客様の現場にロガーを持ち込み、一定期間データを蓄積し、データを持ち帰って分析せざるを得ませんでした。遠隔監視で設備の各種センサデータを収集・分析できるようになれば、海外など遠隔地で稼働している機械に対してもリアルタイムで稼働状況を把握できるようになります。その結果、迅速なサポートやトラブル対応が可能となり保守コストの削減も期待できます。
また、設備の稼働積算時間などを把握・管理することで、消耗部品などが限界を超える前に交換やメンテナンスを提案するなど、高度な予防保全サービスの提供も可能となるでしょう。加えて、各種センサデータや設備の稼働データを蓄積・分析・可視化することで、職人技の円滑な伝承や職人育成期間の短縮、作業の自動化による作業負荷の軽減や生産性の向上などを実現し、お客様の満足度と製品価値の向上を実現できると考えました。
カメラ映像から、ハンマーの動きをリアルタイムで解析。職人の技能を打撃エネルギーとして見える化できる。
AirGRIDR WD連携により、手書き日報など使用せず「運転中」「段取り」「停止」「休止」などの設備稼働データを自動収集し、クラウド上で稼働分析が可能になる。
PLCや各種センサを接続したデータロガーからの情報をローカルのデータベースに収集。設備や機械の稼働状況の可視化や分析に必要なデータを抽出してクラウド上に保存し、Webから情報を確認・分析できるようにする。結果、迅速なサポートやトラブル対応が可能となり保守コストの削減、設備の稼働積算時間などを把握・管理することで、消耗部品などが限界を超える前に交換やメンテナンスを提案するなど、高度な予防保全サービスの提供も可能に。
低コストかつスピーディな構築を実現するため、できる限り汎用的な技術やサービスを利用し開発期間とコストを大幅に削減できました。また、できるだけ多くのセンサからデータを収集し、ビッグデータを解析すれば分析結果の精度は向上するのですが、データ容量が増えれば大容量のストレージやデータベースが必要となり、クラウドやネットワークへの負荷も増大してしまいます。実際、すべてのセンサデータを合わせると工場全体では1PB'(ペタバイト)を超えるデータを処理しなければならなくなるので、エッジ(ローカル)、フォグ、クラウド、それぞれの環境において必要なサイズでデータを保存するとともに、蓄積するタイミングの最適化を図る必要がありました。そして、鍛造機械ならではの苦労としては、機械に直接センサを設置すると打撃振動で壊れてしまうため、カメラの映像から画像解析によって打撃の位置やタイミングを分析するという発想の転換が必要でした。結果的には、設置がしやすい仕組みを実現することができました。
今回開発した遠隔監視システムは、メーカー企業(⼤⾕機械製作所)からはすべての鍛造機械導⼊先企業の把握が可能で、システム内からパーツの交換時期等の情報発信が可能でメンテナンスに役⽴ち、導⼊先企業(⼤智鍛造所)側ではAI学習⽤途等の詳細データはローカルデータベースに保存するため、機密情報は安全に⾃社内で保持しながら活⽤が可能で、稼働状況等、外部から確認が必要な可視化情報はWeb上から迅速に確認できる仕組みになっています。
また、今後導⼊先企業が増えれば増えるほど、AIにより様々な稼働環境の情報を学習・分析することができるため、より精度の⾼い故障予兆検知や分析情報の制御装置へのフィードバック、さらには省電⼒化など、鍛造機械導⼊先の企業全体がメリットを分かち合える設計思想となっています。
遠隔監視システムを導入したことで、機械トラブルなどによる機械の停止時間の最小化や保守コストの削減を実現できました。また、工数をかけず、正確な機械の稼働状況を把握・可視化できるようになったことで、さらなる生産性の向上や、それにともなう作業時間の短縮などにも取り組んでいきたいと考えています。
ハンマーで叩くタイミングやリズムを可視化できるようになりましたので、技術伝承による技術者の育成期間の短縮とコスト削減も実現できると期待しています。
さらには間接的な効果となるかもしれませんが、AIやIoTといった先進的な技術を積極的に活用していることが、会社や職場のイメージアップにつながっていけば、人材の確保や他社との協業といった場面でも有利に働くと捉えています。
リズムや打撃音など熟練作業者が感覚で制御している情報と、センサから取得した情報との関連性を導きだし、装置制御プログラムへと反映することで、可能な限り熟練作業者の操作を機械で再現できるようにしていきたいと考えています。また、エア鍛造装置の制御には大量のエアを利用するため電力を消費するのですが、AIによりムダを抑えた最適なエア制御を実現することができれば、大幅な省電力化を図ることができるのではないかと考えています。
AirGRID は、既存のパトライト表示灯に無線通信機を設置するだけで、機械の稼働情報を収集できるようになるので、私たちにとって最適なシステムでした。また、パトライトはサポートも、迅速かつ丁寧なのでとても助かりました。今後も、遠隔監視システムの付加価値を高めるための提案や機能向上に期待しています。 これからも、よろしくお願いします。